(ja) 通信インパクト
私はゲーム好きの翻訳に専門する言語学者(自称)である。そんな私がゲームの翻訳・ローカライゼーションに当たる仕事をやりたいというのは当然だろう。ま、そういう仕事は私に無理だと思うけどね。
インドネシア語母語話者のインドネシア人である私だから、翻訳すればインドネシア語に翻訳するのみ。英語や日本語を話せるとはいえ、その言語の母語話者じゃないし、その言語を話す地域に長く住んでいないから、ネイティブに比べると言語能力と文化理解が一生敵わない。だからそういった外来語に翻訳・ローカライズする資格がないんだ。けどぉ、インドネシア語に翻訳する資格はある(自己評価)。けどぉぉ…インドネシア語に翻訳されるゲームは…ない…。ほんで、資格を持っていても、需要がないから結局無理。
しかし、最近は違う。インドネシア語のオプションを提供するスマホゲームをよく見かける。多に分で多分なんだけど、スマホを持っているインドネシア人の数が多すぎて、スマホゲームを作る会社はこの市場を無視できないからだ。でもスケール的にスマホゲームは小さいんじゃない?文字情報がそもそも少ないから時間やお金があまりかからずに済むだろう。むしろ全然かからないかも…インドネシア語がクソカタコトすぎて、絶対機械翻訳を使ってそのまま入れただろうと思うくらいゲームもあったよ。まあまあ。
インドネシア語が提供されているのは良いことだと思っている。しかし、まだまだ足りない。ファイナルファンタジーやレッドデッドリデンプション並みのAAAタイトルも是非!そういうゲームはストーリーが中心だから翻訳するのにやりがいがあって楽しいじゃないかと思う。残念ながら、スマホと異なり、PCやゲーム機用のソフトではインドネシアという市場は小さすぎてインドネシア語に翻訳する価値が、今は、ないようだ。
…だからmiHoYoが開発したゲンシンインパクト(原神)にちゃんとしたインドネシア語の言語オプションが提供されていることを見て驚いた。あのゲームのストーリーって結構長いけど不自然さのない、翻訳家がやりそうなインドネシア語の翻訳で語られているよ?!すごっ。原神はAAAタイトルと言えるか否かをさておき、中身が何となくインドネシア語に翻訳されないようなコンテンツだから本当に以外だ。原神だけに限らず、この傾向が続くと幸いだ。
miHoYoは我が国の存在を認めてくれた。それはありがとう。私は原神やってないけど。それはごめんなさい。